研修レポートin 山陰(2016GW)


吹屋の旧片山家住宅




鳥取砂丘なう


大山の中腹にて


北栄町役場前にて


石谷家住宅

  決して生活は楽ではない小生ですが、1年に1回は宿泊で県外視察をしたいという希望をもっています。もちろん、自身の教養を深めるための研修ですから、自費の旅行となります。独身時代は、歴史系の施設・史跡に特化していましたが、結婚後は、歳を重ねたこともあり、家族みんなで楽しめる癒し系の施設や自然遺産を取り入れるようになりました。
  昨春、やまなみ街道が開通したことで、これまで遠くに感じていた山陰が近くなりました。昨年のGWは島根県(鉄の村・石見銀山・出雲大社)を満喫し、今年は岡山県高梁市の吹屋ふるさと村(国重要伝統的建造物群)経由で、とっとり花回廊・鳥取砂丘・石谷家住宅・青山剛昌ふるさと館・大山などを楽しみました。やまなみ街道以外にも、暫定の高速道路が多く整備されていて、移動時間の短縮につながりました。
 鳥取県と島根県の両県は、ご存知の通り、都道府県人口ランキングではワースト1・2位であります。その割には、現地を訪れて感じたのは、愛媛県ほど市町村合併が進んでいないということでした。今治市は平成の大合併で一気に12の市町村が1つになるも、市民はそれほど合併の恩恵を受けていないように思います。むしろ、毎年1,000人を越える人口が市外へ流出しており、この課題と真摯に向き合う必要に迫られています。
 定住人口を増やすことと並行して、交流人口を増やすことも大切で、そのための手法として観光産業に力を入れることが大切になってきます。市町村合併が愛媛ほど進んでいない鳥取県の観光パンフを見ると、あちこちに観光地の書き込みがあり、その価値の見極めは観光客の判断に委ねられます。山林王の邸宅≠ニして知られる石谷家住宅(国重文/智頭町)は、現地の朝刊を読んでいて目に留まった施設で、近代の実業家の旧家再生(旧八木亀三郎家住宅)が念頭にある小生には、掘り出し物といえる近代和風建築でした。子孫が地元の町へ寄贈し、一般財団法人として運営されていました。近世の豪商住宅をイメージして来られる方の中には、ガッカリして帰られる方もいるようですが、小生の目には時代を超越した施主の趣味の良さを感じる施設に映りました。
 豪商の店舗・住宅といえば、ベンガラの製造・販売で財をなした吹屋の旧片山家住宅は、最初から行こうと決めていた施設でした。小生は10年余り前に、新居浜市多喜浜最大の塩田地主であった小野家(屋号、榎之本)を調査したことがあり、同家の女将に大変お世話になりました。その女将の出身地が吹屋の辺りとうかがったことがあり、鉱山関係で財をなした有名な旧家とのことでした。多喜浜が国の塩業整備事業の一環で昭和30年代に廃止になるとき、女将は多喜浜を代表して政府機関と交渉することになりますが、大臣経験のある岡山県出身の代議士が、その交渉のお手伝いをしてくれたようです。女将は数年前に亡くなり、実家の旧家がどこであったのかは聞きそびれたままですが、片山家ではないかと想像しながら、見学をしました。
 青山剛昌につきましては、漫画アニメの「名探偵コナン」の作者で有名ですが、その出身地・鳥取県北栄町に彼の名を冠した博物館があります。館内のショップには、スイカを食べるコナンやラクダにまたがるコナンなど、ご当地ならではのグッズも販売されていて、マニアらしき観光客に、小生は少しひいちゃいました。ファンの方には申し訳ありませんが、小生自身はまったくコナンには興味なく、むしろ「ゲゲゲの鬼太郎」の方が多少知識はあります。しかし、境港市の鬼太郎関係のまちづくりはスルーして、青山剛昌ゆかりの博物館を見学したかったのは、今治市伯方島出身のアニメーター・馬越嘉彦氏の資料室なり博物館をつくるとした場合のイメージを養っておきたかったからです。初期の段階では、旧家の一室(旧八木亀三郎家住宅)に展示コーナーを設けるだけでもいいとは思いますが、そんな相談を嘉彦氏としたいものです。現在の今治市の財政では、たとえ重文クラスの旧家であっても、その保存活用に関心をはらうことはしないでしょう。それよりかは、空き家対策を何とかして欲しいとするのが、市民感情かも知れません。
 話題の境港市のベタ踏み坂≠ノも行きましたが、小生の目には一過性の建造物として映りました。それよりも、私たちのふるさとにはしまなみ海道≠ニいう巨大な架橋が美しい景観と調和しています。ここを多くのサイクリストたちが毎日駆け抜けていきますが、素通りで終わらないよう、行政・民間ともに知恵をしぼった対策が求められています。これをカレイ山展望公園と宮窪地域に置き換えて、能島の里はがんばらないといけませんね。来月は新年度の総会が開催されますが、法人の賛助会員とともに、一緒に汗を流してくれる個人会員の増加に期待します。   


広報担当 大成経凡