あじストーンフェア2015へ行くA(6/13)


石の民俗資料館




石民館の丁場のジオラマ


ストーンミュージアムと庵治の丁場

  世間一般の若者は、庵治石や大島石のことは知らないでしょうが、庵治(あじ)が大ヒット映画『世界の中心で愛を叫ぶ』のロケ地になったことはご存知の方も多いはず。このため、高松市庵治・牟礼(むれ)地区の庵治石産地は純愛聖地≠フブランド力も兼ね備えています。さらに歴史愛好家の間では、間近に望む源平合戦の屋島古戦場。グルメ通には牟礼の牡蠣(かき)焼き小屋…など、情報発信力の材料には恵まれています。
  フェア視察の後、若手会員2人(歴史・民俗研究者)の希望で「高松市石の民俗資料館」(牟礼地区)と「ストーンミュージアム」(庵治地区)を見学することになりました。同資料館は今年で開館20周年を迎える博物館で、牟礼町時代に整備されました。民俗をテーマにしているため、採石や加工の道具が豊富に展示されていました。丁場の等身大ジオラマは、一般観光客に分かりやすい展示で、職人や作業員の苦労が偲ばれました。つい、宮窪町時代に整備された大島石の「石文化伝承館」と比較してしまいますが、@に続いてこちらも敗北感が脳裏をかすめます。
 一方、同ミュージアムは、自治体ではなく石材業者の経営で、工芸作家の石を使ったアート作品や一般観光客向けの石のアクセサリーや工芸品など、美術館と物産館の役割を果たしていました。施設前の広場は屋外展示場になっていて、丁場を見上げる眺望スポットにもなっています。側は遠浅の入江で、かつてここに入浜塩田があったことは、塩田研究者ならすぐに察しがつきます。その跡地が、現在では石の工業団地に再生し、全国屈指の石材加工拠点となっています。丁場そのものの景観は大島と同等規模に映りますが、ここの強みが全国の銘石を取り扱う加工・販売能力であることを思うと、前述の博物館施設等、石の魅力を発信する材料はしっかりそろっている印象を受けました。
 これまでは、大島石の産地・今治市でも、ストーンフェアを開催できないかという期待を持っていましたが、視察をへてそれが難しいと実感。タオルや海事産業では、今治市は全国トップランナーですが、石業界は総合力では庵治にはかないそうにありません。ただし、やりようはあります。桜井漆器・菊間瓦など、斜陽化傾向にある伝統工芸の地場産業とのコラボで、市民向け・県民向けの総合展示会はできるはずです。それぞれにユニークな歴史背景や素材の良さがあり、そこをまずは身近にいる消費者や異業種業者に知ってもらう機会が求められています。
 また、このほど国交省が外国人観光客を誘致する広域観光周遊ルート≠ノ四国遍路やしまなみ海道のエリアを認定したことで、大島石と様々な観光商品とのコラボが期待できます。ただ、それも受け身ではダメで、こちらが積極的に仕掛けていく姿勢が求められています。能島の里として何ができるのか、思案して参りたいと思います。   


広報担当 大成経凡