イマバリ・ストーン・ルネサンス(10/13・14)


長円寺跡宝篋印塔(1325年造立)




馬場五輪塔(1326年造立)

  宮窪地域活性化事業の一環で今年1月末から始まった石文化体験ツアーですが、お陰様で観光客の皆様方からコンスタントにご利用頂をいております。大島石が生まれた地球メカニズムの話から、石を切り出す光景、採掘の歴史、商品化への流れなど、約2時間で楽しく学ぶことができます。まさに、産業観光と体験学習が一体化した、宮窪が誇る観光商品になろうとしています。
  一方、当会の若手グループ数名(藤本・木原・大成・丹下ら)は、今治地域の中世石造物に光を当てるイマバリ・ストーン・ルネサンス事業(しまなみ石文化研究会主催/小田延彦代表)にも参画致しております。今治市乃万地域には、鎌倉時代後期から南北朝期につくられた石塔の優品が数多く現存しており、国重要文化財が16基もあります。さらに大島の友浦宝篋印塔や大三島宮浦の大山祇神社宝篋印塔を合わせると市内に20基。これは、重要文化財の指定件数で見れば奈良・京都・滋賀のビッグ3に次ぐ4番目で、あの神奈川(箱根・鎌倉)や大分(国東半島)をも凌ぐ存在です。
 これらは花崗岩でつくられており、大島石を石材としたものか?と興味を抱くところですが、専門家の目から見ると蒼社川の河原石(玉川石)か備後地方の花崗岩ではとの見解もあります。とりわけ、乃万地域野間地区の覚庵五輪塔・馬場五輪塔・長円寺跡宝篋印塔らは、造立から700年近くたった今も、風化を見せないしっかりとした造りです。全国的に見ても、石造物は鎌倉〜南北朝期につくられたものが意匠性に優れ、大型のものが目立ちます。時代が下ると、意匠性は退化し、小型化する傾向にあります。長円寺跡宝篋印塔は総高3.6メートルですから、まさに怪物級といえます。先日、今治市民会館で開催されたシンポジウム・現地見学会(10/13・14)でも、様々な指摘がなされたところです。
 こうした過去の石文化にも私たちは興味関心を持ち、周遊観光コースに組み入れていく必要性を感じております。将来的には、石文化体験ツアーとの連携も視野に入れないといけませんね。野間地区は、田園風景が色濃く残り、一瞬、明日香村を彷徨っているかの錯覚に陥ります。時間がゆっくりと流れ、癒しのひとときを体感することができます。サイクリング観光に適しているのかも知れません。しかも、それらに刻まれた文字を読むと、願主が夫婦と思われるもの(長円寺跡宝篋印塔)や、亡くなった妻のために夫が建てたもの(馬場五輪塔)など、夫婦愛を感じさせます。2基が寄り添う覚庵五輪塔は、そもそも夫婦墓かも知れません。「カップルが愛を育む聖地になるのでは」と、調査をされた中世石造物研究の第一人者・山川均博士はデートコースに提案されています。
 眠れる至宝が、私たちの足元にはまだまだあるようです。それらに光を当てることで、しまなみ海道全体が魅力ある観光商品となり、住民にとっても住みよい環境になれば幸いです。イマバリ・ストーン・ルネサンス事業は、今後とも継続して参ります(本年度は、今治市の「市民が共におこすまちづくり事業」の助成金を活用)。こちらにつきましても、会員募集中です(事務局TEL/小田0898-34-8885)。しまなみ海道の石文化を盛り上げましょう(^O^)/       


広報担当 大成経凡