・カレイ山は、どうしてカレイ山なの?


カレイ山



  現在、遠見茶屋は、冬季休業中です。昨年11月に放送された“はるな愛ちゃん”の出演番組が、なんと元日に全国放送されていたようです。全国の知人・友人から、見たよ!という連絡が相次ぎ、弊店のカレーライスの知名度もずい分高まりました。テレビの影響って、本当に大きいですね(^O^)/
  ところで、来店者から多い質問ですが、「カレイ山は、どうしてカレイ山って言うの?」。今春から増えるかも知れない来店者を考えた時、“分からないまま”ではいかなくなってきました。お客様と接する女性店員のため、ちょっと調べてみました(^^ゞ
 
 @江戸時代から、そう呼ばれていた?
  まず、「カレイ」という地名が、いつ頃から宮窪に存在したのか…。元禄2(1689)年の『越智郡宮窪村地平均(じならし)検地帳』に“さきかれい”という地名が記され、元禄11(1698)年の『越智郡宮窪村寅改新田畑帳』には“先カレイ”、正徳3(1713)年の『越智郡宮窪村新畑改帳』には“前かれい”の地名が記されています(『しまなみ水軍浪漫のみち文化財調査報告書〜歴史地理編〜』参照)。すでに江戸時代からこの地名は存在したようですが、表記がカタカナだったり、平仮名だったりで、言葉の意味がみえてきません(*_*)
 
 Aインターネットで検索してみたら…
  こういう場合は、同様の地名が全国にないか、地名辞典を調べるのがベターです。幸い、インターネットの検索を用いると、手掛かりとなる記事にヒット! やはり、「カレイ」の地名そのものに、意味があるようです。
 吉田茂樹『地名の由来』(新人物往来社・1979)によると、一説に「西日本でカレイ谷、東日本でカルイ沢と呼ばれている所は、水の枯れやすい谷、沢の意で、“枯井谷”と書くのが正しい」と。そうなると、カレイ山は「水の枯(涸)れやすい山」の意味となりますね。確かにカレイ山は、花崗岩質の土壌(大島石の採掘場)ですから、保水性に乏しいものがあります。
 そこで、同じ地名を検索したところ、四国4県では以下の地名が引っ掛かりました。
 
  ・愛媛県― 西予市三瓶町/枯井(カレイ)崎
  ・香川県― 東かがわ市/狩居(カレイ)川、三豊市/加嶺(カレイ)峠
  ・徳島県― 海部郡海陽町/王余魚(カレイ)谷
  ・高知県― 安芸市/枯井(カレイ)谷
 
 B地名辞典を色々と調べて見たら…
 その他の事例では、広島県/神洗(カレイ)川、島根県/加令(カレイ)谷川、長崎県/嘉例(カレイ)川、鹿児島県/佳例(カレイ)川などがあります。水に関係する地名のためか、川名でよくヒットします。前掲図書や吉田茂樹『日本地名大事典』(新人物往来社・2004)の説に従えば、「水の枯(涸)れる川」の意味となります。
 当て字は様々ですが、宮窪の場合も、カレイ山を漢字で表記する事例が過去にあったのかも知れません。『角川日本地名大辞典【愛媛県】』(角川書店・1981)には、鰈山(かれいやま)と記され、『日本山名事典』(三省堂・2004)には、彼礼比山(かれいさん)と記されています。宮窪は漁業が盛んですから、鰈山の字で表記すると、魚のカレイが地名の由来かと勘違いしてしまいますね(^^ゞ
 一方、カレイ山騒動の由来を記した若宮神社の碑文(明治36年建立)には、漢字表記の混乱を避けるためか、カタカナとなっています[※カレイ山騒動については、昨年のHP記事「古民家(尾形の御堂家)の現況」をご参照下さい]。ちなみに、新潟県に同じ名前の山があるようですが、こちらの表記は“鰈山”です。
 
 以上が、質問に対する回答となりましたが、調べた小生自身が、とても勉強になりました。参考になれば幸いです。
                                




広報担当 大成